もやゆる介護

認知症の母の介護についてのあれこれです
もやもやした気持ちのゆるい介護、かな。

調味料

母の家で料理をする時、自分が使っている調味料が無かったり、
違うものを使っているので戸惑うことがあります。
例えば…
塩。今は色々な種類の塩がたくさん出回っていますから、
我が家では何種類か常備していて、使い分けています。
サラダ用には、ハーブの入ったものや、ミネラル分の多い外国の塩、
普通に使う塩も赤穂のにがりの塩…。
母の台所には専売公社?の青い文字の塩しかありません。
私には、ツンとしょっぱいだけで旨みが感じられない気がします。


油も、オリーブオイルやごま油、えごま油など色々使いますが、
母はサラダ油一辺倒です。


味噌は、今は手作りするほどはまっていて、色々に熟成させたものを
使い分けしていて、母宅にも持って行ったのですが、
使う気配がありません。


オイスターソースや、マスタード、あらびき胡椒、鷹の爪…と
私が買い物に行くたびに増えてしまうあれこれです…。
使って調理をすれば笑顔で「美味しい!」と言ってくれますが、
母が買い置きのそれらを使うことはありません。
あんなに料理好きで、上手だった母が変わってしまったことに
時々まだまだ戸惑いを感じます。




パールの修理

告別式の後、母のパールのネックレスが切れてしまいました。
四十九日までに直さなくては、と「少々急ぎ」の項目に入れつつも、
「どこに頼めばいいのか」
「直すより買った方が良いのでは」
と、もやもやしていたのでした。


先日、地元の良く行く居酒屋で、解決しました。
開店直後で、お客は私たち夫婦と、一人で来たお客さんが二人…。
カウンターを囲んで、気さくなマスターとおしゃべりしつつ、
飲んでいると…。
一人で来ているお客さんがハンドメイドのアクセサリーのお店をやっている方でした。
思わず、勢い込んでパールの修理について相談すると、快く引き受けていただきました。


こういうタイミングの良い出会い、ってあるんですね。
今日は早速仕事帰りに修理してほしい母のパールのネックレスを
持ってうかがいました。
こじんまりとした工房で、色々相談に乗っていただき、
ほっとしています。
母のネックレスの相談をしつつも、
自分も直したいアクセサリーがあったことを思い出しました。


「必要」が呼び寄せる良いご縁に感謝、です。




友情

病院の会計で名前を呼ばれたら、私の背中をトントンとする人がいました。
母の高校時代からの親友のTさんでした。
私も子供の頃からかわいがってもらい、今でも年賀状のやり取りをしています。
昨年のゴールデンウィークには、母を訪ねてくれた時に私もお会いしていました。
その時には、記憶が混乱している母に少々驚かれたようで、
話が弾むかな、という私の期待通りにはいきませんでした。
ご迷惑だったか…という気持ちになったことを覚えています。


「わー、Tさん」と母は大喜びで、
いらしたばかりのTさんと並んでおしゃべりは始まりました。
母は、認知症の薬をもらいに通っている病院ですが、
Tさんはインフルエンザの予防接種にいらしたとのこと。
それも伺えば、母が通院している病院なので、もしかしたら会えたらと
足を運んでくださったそうです。
しかも、母が通院する曜日を覚えていてくれて…。
母は、昨年会ったことはすっかり忘れていて、
「何年ぶりかしら~」と何度も何度も言いましたが、
Tさんは優しく「何年ぶりかしらね~」と母に話を合わせてくださいました。


久しぶりに会った二人の話は、同じところをぐるぐるしながらも、
尽きることなく続いていくのでした。