もやゆる介護

認知症の母の介護についてのあれこれです
もやもやした気持ちのゆるい介護、かな。

母は、昔から生卵が嫌いでした。
戦後の食糧が無い時代に、栄養源としてたくさん食べて、
それゆえ苦手になったようです。
火をいれた卵は問題ありませんが、生の卵はだめでした。
家族ですき焼きを食べる時に、いつも母は卵無し、でした。


今は…。
やはり「生卵は嫌い」と言っていますが、
冷蔵庫には4個パックの卵が5~7ぐらい入っています。

夕食の準備をしているといきなり
「卵買ってくる」と母が言い出したりします。
冷蔵庫を見てもらい、
「ね、買いに行かなくてもいいでしょ」
と説得します。
嫌いだけど、無いのは嫌、ということなのでしょうか。
母と卵の不思議な関係です。

そろばん

古いそろばんが出てきました。祖母が使っていたもののようです。
母は、独身の頃銀行に勤めていてそこでそろばんを覚えたそうです。
私が子供の頃、家計簿を前に母はそろばんをはじいていましたっけ。
私は、そろばんは小学校の授業でしかやっていません。
全くダメです。電卓世代です。


母もとっても久しぶりのそろばんだと思いますが、
素早くはじくことができました。
自分が覚えていてできることが楽しそうです。


そろばんのドリルのようなものがあれば、楽しんで問題を解けるのでは、と思い、
次回は何か買って持って行こう、と思いました。
頭と指先を使うから、悪くはないですよね…。

正反対

ヘルパーさんから聞いた話です。
母が言うそうです。
「うちの娘は、姉妹で正反対なの。まるで、プラスとマイナスなのよ。」
「でも、両方とも同じだったら困っちゃうの。姉が二人いても、妹が二人いても
ダメなのよ。」
「全然違うから丁度いいの。」


私と妹は、姉妹なので似ているところももちろんありますが、
外交的な私と内気な妹という点では、正反対です。
私が特によくしゃべるというより妹の無口さが特別です。
母の介護は、別々の日に行くので、なかなか母と三人になることは、
最近ありませんでした。
今回の祖母の通夜、告別式で久しぶりに同席する時間をもったのですが、
気が付いたことがあります。
母が何度も同じことを聞くと私はついつい何度も答えるのですが、
妹は答えません。
「ふにゃ」とでもいうようなあいずちを打つだけなのです。
母は諦めて、何度も同じことを聞かなくなるのでした…。


そんな技があったのね、と思いつつも、私はできないかも、とも思います。