もやゆる介護

認知症の母の介護についてのあれこれです
もやもやした気持ちのゆるい介護、かな。

探し物

冷蔵庫の野菜室を見ると、相変わらずホウレンソウ祭りです。
朝刊のチラシの「胡麻成分」のサプリメントをじっと見ていた母が、
「これを飲んだら良くなるかしら?値段も安いし…」
と言い出しました。
それは、認知症には効かないと思いますよ、という言葉を飲み込み、
「胡麻を食べましょう」と話題をすり替えます。


母はホウレンソウは、茹でるだけで食べているようです。
あんなにあるんだから、胡麻和えにしようと…。


冷蔵庫には私が以前買ったすりごまがあるので、
母にホウレンソウを茹でてもらい、すり鉢とすりこぎを用意して~。


すり鉢はありましたが、すりこぎがありません。
先月はあったのですが、母と二人でいくら探しても見つかりませんでした。
母は、
「そんなの見たことないわ。使ったこともないし」とはっきりと言い切ります。
探せないことの言い訳になると思っているのか、
無いものは探せないと思っているのか、
そのあたりの母の気持ちはわかりません。


結局、すりこぎは見つけられず、胡麻はすりごまなので、
まあどうにか胡麻和えを作ることはできました。
「美味しいわ!ホウレンソウ、あきあきしていたから今度からこうして
食べればよいのね」と喜んでくれました。


「あきあきしてるなら、こんなに買わなければ良いのに」と
「もう一度一人で作れるのだろうか」という私の本音は
口に出さずにおきました…。




片付けると忘れる

10月に祖母が亡くなり、それ以来仏間謙母の寝室の和室に、
祖母の遺影とお花が飾られていました。
そもそもは、告別式の後祭壇をしつらえていたのですが、
長男叔父が祖母の骨壺を持ち去り、
誰にも知らせずに四十九日の法要を済ませた際に、
祭壇は葬儀屋さんが片付けて行ったのでした。


従って、その後、畳に直に遺影と花瓶が4つか5つ、置かれている状態でした。
毎回行くたびに片付けなくては、と思っていたのでしたが、
母が乗り気でないのと、他の用事に忙しくしていて、そのままになっていました。


今回は、乗り気ではない母を
「おばあちゃんは、仏壇に入ったのだからこちらはもう片付けましょうね」と
説得して、遺影を片付け、以前から仏壇に飾ろうと思っていた祖母の写真を
仏壇に飾り、花瓶を別な場所に移動しました。


すっきりとすると母は
「わ~、きれいになった」と雑巾を手に畳を拭いています。
もう、そこに今まで何があったか忘れているようです…。


葬儀屋さんが遺影の周りに付けていた造花の蘭を
「これ何かしら?」と聞いてきます。


形を成していたものが、バラバラになると元のものを
思い出したり、想像したりすることが難しいようです。

ビーフシチュー

訪問する時には、病院や薬局や銀行や市役所、お寺や税理士さんやケアマネと
あれこれ用事が満載で、ついつい気ぜわしくなってしまいます。


今日は、久しぶりに特に予定は無し、です。
お墓参りや、美術館にも行きたいところですが、
あいにく寒くてあまり外出日和ではありません。


母と一緒にスーパーに行って、料理三昧することにしました。


母が最近作らないものを作ろうということで、
ビーフシチューを作ることにしました。
レシピは、私が高校生のころ母が料理教室で習ったものです。
母から習って、私も以前は良く作っていました。
母はそんなこともすっかり忘れて
「何かしら?わからないけど、美味しいわ」…。
母の記憶の引き出しが開いてくれたら、と思いましたが、
味の再現ができていなかったことが原因かもしれませんね。