もやゆる介護

認知症の母の介護についてのあれこれです
もやもやした気持ちのゆるい介護、かな。

病院での会話

病院で先生に
「最近調子はいかがですか?」
と聞かれると
「相変わらずです」
と答えます。
先生は私の顔を見て
「どうですか?」と再度聞くことになるのですが…。
母は、何のことを聞かれているかわからないのだと思いますが、
それを聞き返すことはありません。


認知症の薬をもらっている先生に
「どうですか?」
と聞かれて
「ずっと足がしびれていて…」
整形外科じゃないよ、という話をすることもあります。


「今日は何月だと思いますか?」
には
「そんな細かいことは…」
細かいことではないですよ。


「今の総理大臣は誰かわかりますか?」
「安倍晋三です」
どうしてここだけ正確なのか、私にはわかりません。

地理

母は自分の実家で一人暮らしをしています。
私にとってはそこはもともと「おばあちゃんち」で、
夏休みやお正月に遊びに行くところで、住んだことはありません。
家の周りは何となくわかっていますが、
市役所とか、公民館とか、厚生病院とか…
街に住んでいれば知っていることもわかってないし、
地名を聞いても、距離感や方向性が今一つわかりません。


母が通っている認知症の病院にはタクシーで10分ぐらいだと思いますが、
運転手さんとの会話がかみ合わないことがあります。
「〇〇町のグリーン病院をお願いします」
「グリーン病院?どこかなあ。…ああ佐々木病院のことね」
「…」
病院の場所は同じで、名前が今風に変わったのですが、
私は名前が変わったことも前の名前もわかりませんでした。


「〇〇通りから行くか、✖✖通りから行くか、どっちにしますか?」
「…すいている方でお願いいたします」


わからなくて戸惑ったことは手帳に書き込み、
住所や病院の名前や通りの名前は時々復習して、
本番に備えています。
(その場で見ようとしても老眼であたふたするものですから)



外食

冷蔵庫にたくさんある野菜を調理して、母と食べるのが優先ですが、
気晴らしや刺激になって良いかなという思いもあり、
母と外食にも出かけます。
母自身の料理や私の料理、デイサービスのランチでは、
マンネリかな、と。
介護に通うようになってから、ネットでチェックしてお店をあれこれ探しましたが、
思いのほか良いお店が色々ありました。


◆近所のイタメシ屋さん
いつも混んでいて人気のほどが伺われます。
ランチも予約しておかないと、すんなり座れないこともあります。
このお店のピザは私にとってベストかもしれません。
毎年イタリアに研修に行っているという、本格的なお店です。
野菜は地元のものを使っていて、珍しい野菜、味の濃い野菜を楽しめます。
イケメンのマスターのことを母はなぜか「おじさん」と呼びます。


◆お蕎麦屋さん
古い造りが趣のあるお店で、母と同年配?と思うようなおじいさんが打っています。
しっかりとしたそばの香りと、かみごたえが味わい深いです。
ただ、時々休業が続き、入れないこともあるので、
また食べられるかなあ、と心配しています。
夏は、丸ごと揚げた茄子の冷たいお蕎麦がとっても美味しくって気に入っています。
母は注文してから出てくるまでに何を頼んだのか忘れてしまうようで
「これ頼んだかしら…」と毎回言っています。


◆お寿司屋さん
街でも歴史のあるお店で、当代は3代目だったか、
新鮮な魚と的確なひと手間をかけた美味しいお寿司を楽しめます。
一度夜伺って、思い切り飲んだり食べたりしてみたいですが、
今は母とお得なランチを楽しんでいます。
「ここのお寿司は上等な味がする」
と母も大満足してくれます。