仏壇の写真
祖母の位牌はいつの間にか、戻されていました。
多分、長男叔父が独自に行った四十九日の法要の翌日、持ってきたのだと思います。
しかし、母は長男叔父の訪問を記憶にとどめることができなくて、
「留守の間に勝手に入った」と言います。
(私も最初は半信半疑でしたが、長男叔父はカギを持っていないし、
私がいる時に長男叔父が来た後、数時間で母の記憶から消えたことを目の当たりにしました)
祖母の遺影は、写真ではなく肖像画でした。
私が小学生の頃、祖母が60歳代の頃でしょう。
祖父が知り合いの画家に描いてもらったものでした。
祖父は自分の遺影として写真屋さんで撮影した額を居間に飾っていました。
祖母には写真ではなく、肖像画が良いのでは、と思いついて実行したのだと思います。
子供心に、悦に入っているおじいちゃんと「しょうがないわね」といった雰囲気のおばあちゃんのやりとりを覚えています。
仏壇には祖父のスナップ写真が飾られています。
祖母の写真を何か選ばなくては、と思っています。