母と行楽
一昨年の1月に母は認知症と診断されました。
主治医からは、進行を遅らせるためにデイサービスに行くように勧められました。
母は一人暮らしで、引きこもりがちだったことの対策だと思います。
しかし、母は祖母が通っていた近所のデイサービスには行きたがりませんでした。
それで、かわりに母とあちこち行楽に出かけていました。
一昨年の春は、お花見に車で20分ほどのところに出かけたことを
覚えています。
池を囲んで桜が植えられていて、とても美しい景色を楽しむことができました。
母は「桜は花の女王さまだねえ」と何度も感嘆の声をあげていました。
この近くにはカタクリの群生地もあり、私は初めてその可憐な花を見ました。
母のために出かけることがなければ、無かった出会いだと思います。
週四日デイサービスに行くようになった母と行楽に出かけることはなくなりました。
母は、デイサービスの往復の車から、桜を楽しむことでしょう。