もやゆる介護

認知症の母の介護についてのあれこれです
もやもやした気持ちのゆるい介護、かな。

盗られた妄想

隣の市に住む〇男叔父さん、母の弟ですが、
祖母のことや母のことを気にかけて、
〇男叔父さんの奥さんの〇子叔母さんと何かと面倒を見てくれます。
母が管理してた祖母の介護保険や、お金の管理も、今は叔父さんが
見ていてくれています。


今の母は祖母の病院や施設の手配をしたり、
支払いをしたりすることはできません。
叔父は見かねてやってくれていることですし、母も納得したことだと思うのですが、
いつからか「〇男がお金を盗った」という妄想に取りつかれています。
出かける時に「留守中に〇男が来てお金を盗るかも」などと言い出します。


「〇子さんのお稽古事でお金がかかるから、〇男は私のお金を勝手におろして使った」
という妄想もよく出てきます。
〇男叔父さんと〇子叔母さんには、とてもお世話になっているのに、
申し訳ない気持ちです。


母の自覚

母は、認知症に関する本を読んで、ノートにメモをとっています。
読んだだけでは理解できないので、記憶にとどめようとしているのでは、
と思います。
「そのうち、もや子(私のこと)のことも忘れるかもね。
 『どちら様?』って。」と自分のことを茶化すように言ったりもします。
「私、よくなっているのかしら」と気にしています。
認知症は、進行を遅くすることがせいぜいで、治すことはできない、
と医者から言われていますが、母にそのように言う事はできません。
「去年より良くなったよ」と気休めのようなことを言ってしまいます。


昨年の母は、好きなだけ甘いものを食べていました。
冷凍庫には大好きなアイスクリームがぎっしり、
戸棚にはクラシックな板チョコ、
出来合いの甘い煮豆、ビスケットの袋菓子、
和菓子屋さんで買ったお饅頭や、パン屋さんのチョココロネ…。
母は、40歳代の時に糖尿病と診断され、糖質を制限して健康を保っていたのですが、
そのことをすっかり忘れてしまっていました。


冷蔵庫とカレンダーのそばに「甘いものはダメ」と貼り紙をして、
「運動して体重を減らしてね」といつも声をかけました。
このことは、母の記憶にとどまり、
甘いものは少しづつ家からなくなっていきましたし、
家の中の階段昇降や、散歩をして、母は順調に減量に成功しました。


認知症を自覚している母、減量を達成できた母に
少しでも回復の可能性を見出したい思いです。


市役所に行く

住民票を取りに母と市役所に行きました。
母は、7年前には住民票を移しているのですが、
「市役所初めて来た。」と言います。
「新しくてきれいね~」と言いますが、どう見ても築30年から40年たっている
古い建物です。


そして、
母「何しに来たの」
私「住民票を取りにきたの」
母「住民票、どうするの」
私「金融機関に出すの」
母「どうして出すの」
私「マイナンバーって新しい制度ができたでしょ。それで必要なのよ」
母「ふーん」
母「で、今日は何しに来たの」
という会話を待ち時間中グルグルと…。


マイナンバーのことが、理解できていないので、
そもそも納得することはできないのだと思います。
マイナンバーのことを理解してもらい、
そして記憶にとどめることを、私は諦めています。
お金に関わる話題は「盗られた」という妄想スイッチがはいりやすいので、
避けたいと思っています。
その場で私に言うだけではなく、翌日や数日後でも妹や叔母やヘルパーさんに、
「盗られた妄想話」をすることもありました。
妹から
「お姉ちゃんがお金おろして持って行ったって言ってるけど」
とメールが来ると母に言われていることにもがっくり来ますが、
妹も疑ってメールしているのかと思うとさらにがっかりします…