もやゆる介護

認知症の母の介護についてのあれこれです
もやもやした気持ちのゆるい介護、かな。

褒めてくれる

母は結構褒めてくれます。
褒めるようになったのだと思います。
祖母が良く褒めてくれる人なので、一緒に暮らしているうちに似てきたのでしょうか。

「おしゃれな靴ね」
モノトーンの柄のスニーカーです。
「車がいつもぴかぴかだわ」
そんなこともないと思うのですが…。
「お料理が上手ねえ」
母の好みのさっぱり薄味に徹しています。
「若く見えるわ~」
これは、少々ボケているな、と思います。


「あなたはしっかりしているから、何でも安心」
殺し文句ですね。


私が学生の頃は、何かと細かく注意する母でした。
母のチェックを受けて、1度は着替えないとすんなり出かけられない、と
思っていました。
「雨の予報なのに白地のスカートをはくなんて」
「秋口になったらカラフルなシャツはおかしいわ」
「いつも同じコートばかり着てるわね」…。
あの口うるさい母はどこにいったのでしょう。

宗教の勧誘

訪問時、インターホンで訪問者の映像をチェックしています。
どんな人が訪ねてきているのか、の確認です。


「この人は誰?」と母に聞くと
「わからない」と言われることもありますが、
映像を見るとだいたい見当がついていて、把握しているようです。


年配の女性が時々映っているのですが、
「宗教の勧誘の人」と言っていました。
「宗教なんて、興味あるの?」と聞くと、
「無い無い」
勧誘に来る女性の亡くなったご主人が母の叔父と同じ職場だったそうです。
そんな話まで聞いているのか、と思うと、
勧誘されてしまうのでは、と不安になります。


私が訪問中にその女性が自転車でやってきました。
母は、どんな対応をするのかと思い見ていると、
「結構です」と応えています。
まあ、しっかり対応できているようなので一安心です。



洋裁

母は、私たち姉妹の服を子供の頃からよく縫ってくれました。
母はそのことをよく話題にします。
「二人の服を見分けやすいように、少しだけデザインを変えると、
 同じでなくては嫌、と言われた」
その発言は、妹ですね。なんでも「お姉ちゃんと一緒」を主張していました。


「ピアノの発表会用に子供服を買いに行ったら、すごく高くてびっくりして、
 縫うことにした」
一度しか着ないような服に大金を出しても、もったいないですものね。


「旅行に行く前の晩にワンピースを二枚縫った」
朝起きたら旅行用に新しいワンピースができていて、とても嬉しかったこと、
覚えています。家族で万博に行く朝でした。


私は、社会人になっても母に服を縫ってもらっていました。
友人の結婚式に着て行くために縫ってもらったシャンタンのぺプラム付きブラウス、
しまい込んでいたものを、先日訪問時に持って行きました。
丁寧に仕立てたブラウスをひっくり返して、隅々まで見て
「きれいに縫ってあるわ~」と自画自賛。
ヘルパーさんにも自慢して、洋裁の思い出話で盛り上がったようです。